しをんのしおり (新潮文庫)

しをんのしおり (新潮文庫)

読書の好みは似てるし、この作者の小説は好きなんだけど、エッセイは微妙に私の笑いのツボからずれている。おもしろくないわけじゃないけど、なんか物足りないと思う。どうしてなのかなと考える。
三浦さんは、ためる人だからなのかな。冷静だからなのかな。
たとえば、この本のなかの、のぞき穴の件。人が見てるなかで、のぞき穴をのぞきたいが、ひと目が気になり、周囲のひとがはけるまで待つその感じ。
私だったら間違いなく「わー、のぞき穴。チンコ! わーい。見る見る」ずだだだだだと走って屈んで見る(周囲の人の目など想定外)なので、そのへんの感覚の差なんだろうな、と。
私は、他人を観察するよりは自分が体感したい派なので、自爆エッセイのほうが肌にあう。
菅野彰さんや西原理恵子さんが好きなのは、自ら走りだすあの感覚が自分に近しいからなんだろうか。