映画のハシゴ。
一本目は『マルタのやさしい刺繍
スイスのとある田舎町で暮らす老女たちが、老いてから、若き日の夢だった「ランジェリーショップ経営」を友人同士で励ましあって(?)叶える話。
このランジェリーがすごく可愛いのだ。こんな下着ならそりゃ欲しいぞというような。
景色も綺麗だし目の保養。
いいもの見た。
出てくる嫌な奴は本当に腸が煮えるほど嫌な奴だし(小悪党というか、どーでもいいけど嫌な奴。よくいる感じの)、その嫌な奴のラストも含め、年よりに近い人やら女性やらは絶対的に見終えてスカッとするな。
・年を取っても友だちっていいね。
・年を取っても綺麗なものは心を癒すね。
・年を取っても楽しく生きてけるのは良いし、楽しく生きる方向に心のベクトルを向けるのは大切だね。

二本目は『シャイン・ア・ライト
ストーンズですな。スコセッシが撮ってたんだ。カメラ位置決めなきゃなんないのにセットリストが開演三十分前になってももらえなくて青筋立ててるスコセッシがおかしかった。だけど「やるだろう曲」とか「やるかもしれない曲」とか予測セットリストを作って対応しようと努力しているその緊迫感よ。収容人数2800人の会場での撮影を選択し、カメラを十八台入れて、楽屋裏ももちろん入れて。昔の映像も途中に流れ、これはファンはたまらないだろうと思ったら、横に座った人は完全にライヴ状態に突入し足でリズム取ったり身を乗り出したり身体を揺らしたりしてましたね。あると思います。てゆーか、そうしたくなる映画なので鑑賞としては正しいかと。私も酒飲んでから見たので(意図的に)音楽がガーンと心や耳に届く感じがしてすごく楽しめた。おとに合わせて身体動いてたよ、だから。
悪魔を憐れむ歌でのミックの出方がかっこいいなと思った。あとサティスファクションがやっぱり私は好きなんだよなーってのと。
ミックの声は実はあまり好きじゃないんだってのも再確認で、だから私はストーンズそんなに聞いてないんだなーと思ったけど、それはそれとして曲はかっこいいよな。そして昔の映像見たら、ミックの顔と表情とがとてもキュートだなと再確認した。
チャーリー・ワッツほとんど話さないけどはにかむような笑顔が可愛い、キースはキースだし、ロニーはロニーだし、キャラ立ちしてるバンドだよなストーンズ。平均年齢六十四歳かー。元気でワガママなジジイたちだ。

ババアとジジイの映画を見た日でした。
年を取るのが愉快になれる映画が二本でした。
そして「ババアのほうが現実に役立つ感が大きいな」と、なんとなく思った。
もしかしたらマドンナぐらいになると、年よりになって南国でヤシの木から落ちて大けがみたいな「なんですか、それ」なニュースを作ってくれるのかもしれないけど、ばーさんの元気はそんな方向に向かわず、かなり堅実だよね。いまんとこ。私が知らないだけか。