ジブリ美術館。原画が綺麗だったり巨神兵が思ったよりちいさかったり。
よくわかんない部屋があって「なんの映画に出てた部屋なんだろう、これ」と聞いてみたら「なんの映画にも出てないけど宮崎監督の好きな作家の部屋をあえて作りました」と説明される。「それ、かなり自己満足ですよね。映画にもジブリにも関係ないけど、おれの好きな作家の部屋をここに作っちゃえって、なにそれ」と笑ってしまった。「ええ。けっこう自己満足なこだわりがちらっとあるんですよ」と美術館のひともにこにこと答えてたし。
さすがだな。パヤオ。変に納得した。
あと「三鷹」と「井の頭」を模したエンブレムが。ダジャレとかオヤジジャグとか笑点とかそんな感じで。パヤオ!? いいのかそれ!?
さらに売店でそのパヤオデザインエンブレムのついたパーカーが二万超えで販売されてて「なんてあくどいんだ!!」とジブリの商売熱心さに感嘆する。
でも美術館の細部への遊び心とか、らせん階段とか、変なドアとか、そういうすべは楽しかったし、なにより館内で上映してくれたショートフィルムの「めいとこねこばす」がおもしろくて可愛いらしくて、そこは悔しかった。
二万のあの変なオヤジギャグエンブレムを作るのと同じに、この映画作ったのかと思うと、なにかで負けた気がした。
勝ち負けではないけれど!!


そのあとは原宿のナイキショップにおつきあい。しかし求めていたもの完売で悔しがる同行者。三日で完売だそうです。日本全国その店でのみ売る靴が三日で完売かつ予約も取り寄せも撮り置きもしないので「毎日電話かけて聞いてくれ」みたいな。すごい殿様商売だな。おい。


岡本太郎美術館。庭にはびこるオブジェたちが生き生きとしすぎてて怖い。座ることを拒絶するデザインの椅子に無理に座ったらやっぱり尻が痛い。館内のアトリエの雑然とした感じ。ジブリ美術館のなかの制作風景の部屋と同じで、なにかを作るための部屋は雑然としていてかつエネルギッシュだ。それでいて不思議な寂しさも感じられるのは、そこが無人というか、そこに「作成者の姿」がないからなのか。アトリエは作成するための主がいてこそ慣性系なのかもしれない。旅先の、顔の部分ほくりぬいてあって、そこに顔を入れて写真を撮る看板みたいな感じ。あるべきものがない、妙な寂寥。
語る太郎のフィルムの上映を眺める。
庭先のオブジェたちにやられちまった私は、ついつい売店でピンバッチ買いました。造形として太郎さんの作ったものの形が好きだ。不気味なのに愛らしい変なものたち。
なぜか太郎美術館を訪れたひとたちは、書きたくなるらしく、絵を記帳していくわけだが、それは太郎さんに感化されつつ顔が豆腐になったりアンパンマンになったりと、絶妙なゆるキャラへと変化しているのであった。あれは……なぜだね。


そのまま渋谷にいき、太郎さんの壁画を見る。


そして銀座にいって太郎さんの時計を見る。

そこから浅草にいって、ふらっと浅草の通りを歩いて、そのあとで新宿でバイバイ。
途中でご飯食べたりお茶とケーキ飲んだりしつつも太郎づくしプラスパヤオで、天才たちの作品をひたすら眺めた一日でした。話題は仕事とハイロウズクロマニヨンズがメインでした。