RCのベストを聞く。映像はまだ見なくていいなと思うので音だけ聞く。好きな声。好きな歌。好きな歌詞。好きな音。鼓膜から入ってきた音がぐるぐると私の中身を洗っていく。いままで近しい人が去っていく痛みしか知らなくて、それは心が欠けていくような喪失感で、でもボスは遠くて見知らぬ人なのに大切で。そういう人がこの世界にいなくなって、欠けるというより突き刺さるというか、いままで聞いてきたいろんな音楽が声が私のなかのなにかをぎゅっと握りしめてて、握りしめられたままのその心が痛くて寂しくて切ないみたいな変な感じの喪失感。失われたというより、握りしめられたまま、その爪が胸のなかに食い込んでいて「キヨシローがいなくなった」と認めた途端、私はこの「握られた心の部分を、もぎ取られてて、失くしてしまうのかな」なんて思ってたけど、そんなことはなかった。ちゃんと握りしめられたようなその痛みも含めて、すべては私のなかで昇華され、洗われていった。ボスの喪失は痛いけれど、心は欠けず、むしろ失われたことでもっと温かく大きくハートが膨れるような気がした。私はなにもなくしてはいない。与えられたものはすべてまだ私のなかにある。たかが音楽というなかれ。sweet soul music。あなたの歌声は私の鼓膜に引っかかったまま。私の心に引っかかったまま。共にくちづさんだあのメロディもあの歌詞も私の舌と唇に引っかかったまま、そのまま。消えることはない。私という存在がこの世界から消えるまで、私はずっとキヨシローの音が好き。そしてその気持ちは残りつづける。膨れ上がる。歌に心を握られ、私のハートはトクトクと脈打つ。

鼻の奥がつんと痛いけど、涙は出ない。でも鼻水がだらだらと出てティッシュの山がゴミ箱に溜まる。男じゃなくてよかった。このティッシュの消費の量はだってほらと、そんな発想して苦笑。ありがちすぎて、すみません。