大型書店で、男の子と手をつないで歩く年配の男性が「おじいちゃん早く買い物してそしてトイレ行きたいんだ。おじいちゃん、おしっこしたいんだ。トイレトイレ」と話していて、手をつないで歩いていた男子が「だめ。おじいちゃん、トイレ禁止。おしっこ禁止」と騒いでいた。子どもの声が大きいので聞こえてしまい「おじいちゃん、大変だなあ」とぼんやりと思っていたら、その年配男性がスタスタと迷うことなく歩いていった棚はボーイズラブとされる、男と男のラブロマンスエッチありの小説ほ扱う棚だった。そこで「おじいちゃん、早く本買って、そしてトイレに」と真顔で言う年配男。「トイレ禁止」と騒ぐ小学校低学年か幼稚園ぐらいの男子。手に取ったのはまごうことなくボーイズ系の本。作者名も確認してしまったけれど、そこはまあその作者さんにもなにな感じがするので書かない。で「よし。これにしよう」と年配男性は手をつないだまま「トイレトイレ」と去っていった。
あとに残った私はしばらく「読むのか。それとも誰かに頼まれたのか。でもあの男の人、あきらかに物色してた。つまり自分で読むのか。あれは男の子がなにも知らないから手をつないで歩いてたけど、物心ついたら、おじいちゃんの読書の好みに引かないだろうか」と考えて……。
つーか、あれ、本当に孫か!?
まさかそういう趣味で、少年好きの人が、トイレにつれていって、見知らぬ男の子にいかがわしい子としてたりしないよな。しないよな。なあ、どなんだ。
と、時間を置いてふと疑ってしまった私は間違ってますか。間違ってて欲しい。
ちなみに浮かんでしまった疑問はそのままにもできず、私は自分の探してた本を買うのをやめて、その孫とおじいさんを書店で探してまわりましたよ。どうしたらいいのかわからんので、見つけたらとりあえず「わあ。その本私も好きです。ファンです。お読みになるんですか」と語りかける不審者になろうと思いましたよ。
でもその人たちはもうとっくにいなくなっていた。
トイレまで探してみた(男子トイレには入れなかったので、孫の男の子の声が聞こえないかしばらくたたずんで耳をすましてみるという、はたから見たら私こそが変質者な態度を取って)が、見つからなかったので「まあ、無事にあのBL本を買って帰ったおじいさんとその孫で、きっといいんだよな。いいんだよな」と思ったのでした。
おばあさんだったら「そうか。腐女子は老いても腐女子なのか」で納得したが、おじいさんだと違和感ありまくりだなあ。
偏見かな。